Random Convex Curve Laser 解説
ドパおじ数学パズル工房
三角形
反射の法則は、力の釣り合いでもある
レーザーが曲線で反射するとき、入射角と反射角は等しくなります。この条件は、力の釣り合いとして見ることもできます。
曲線にリングを通し、そのリングに2本のピストンをつなぎます。ピストンは長さによらず一定の力で、隣のリングとの間を押し広げます。曲線になめらかで摩擦がなければ、曲線がリングに及ぼせるのは曲線に垂直な力だけです。そのためリングが曲線に沿って動かずに止まるのは、2本のピストンの力の、曲線に沿った成分が打ち消し合うときです。2本の力の大きさは等しいので、これは「2本のピストンが接線となす角が等しい」ことと同じで、反射の法則そのものです。
そこで曲線上に3つのリングを置き、ピストンでつないで三角形を作ります。全部のリングが止まったとき、どの頂点でも反射の法則が成り立っているので、その三角形はそのままレーザーの通り道になります。ランチャーを三角形の辺の上に置き、辺に沿って撃てばクリアです。
ピストンが押し広げる力で落ち着く形は、曲線に内接する三角形のうち、周の長さが最も長いものです。周の長さが最大の内接三角形はどんな凸曲線にも存在するので、三角形の答えは必ずあります。
五角形
星形の五角形もある
リングを5つにすれば、同じ方法で五角形の軌道が見つかります。ただし五角形には、つなぎ方の違う2種類の答えがあります。
曲線に沿って隣どうしを順につなげば、ふつうの五角形になります。1つ飛ばしでつなぐと、星形の五角形になります。星形の軌道は、曲線の内側を2周してから発射点に戻ります。どちらも5回の反射で戻るので、どちらでもクリアになります。
曲線を何周して戻るかを、その軌道の「回転数」といいます。ふつうの五角形は回転数1、星形は回転数2です。
十角形
わずかなずれが育つ
十角形でも考え方は同じで、リングを10個にして釣り合いを求めれば軌道が見つかります。難しくなるのは、撃つときの精度です。
ランチャーの位置や向きがほんの少しずれていると、そのずれは反射のたびに曲線の曲がり方の影響を受け、多くの場合だんだん大きくなっていきます。3回なら気にならないずれでも、10回反射すると発射点から大きく外れてしまいます。釣り合いを正確に求めたうえで、ランチャーをピストンの上にぴったり合わせ、ピストンの向きに沿って撃つ必要があります。
十角形にも、ふつうの十角形(回転数1)と、2つ飛ばしでつなぐ星形(回転数3)があります。
二十角形
どんな曲線にも答えがある
二十角形まで来ると、ランダムに作った曲線で本当に答えがあるのか気になるかもしれません。これには数学の定理が答えてくれます。
バーコフの定理によれば、なめらかで、どこでも外側にふくらんでいる凸曲線の中では、反射の回数 n と、何周して戻るかを表す回転数の組ごとに、周期軌道が少なくとも2つ存在します(回転数は n と公約数をもたない数に限ります)。このゲームの曲線はこの条件を満たすように作られているので、二十角形の軌道も必ず存在します。
2つの軌道のうち1つは、内接する二十角形の中で周の長さが最も長いもので、ピストンで見つかるのはこちらです。もう1つは、山と山の間の峠のような釣り合いで、少しでもずれると崩れてしまうため、ピストンで見つけるのは難しい軌道です。